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2006年10月06日

『シュナの旅』を読んでみた。

syunanotabi.jpgちょっと前に、宮崎吾郎監督作品のゲド戦記を見に行ったんです。なるほどねぇ~、と鑑賞しながら最後のテロップのところで、ふと目に入った原案作品の名前の一つが、シュナの旅でした。この本、Keikonは中学生くらいの時に読んだ事があって、家の本棚をごそごそしていたら出てきました!ほぼ15年ぶり?くらいに開いてみたわけです。…年がばれるね。



はるかな昔か、それともずっと未来のことか。
時から見捨てられたかのような、谷の底の貧しい小国の王子シュナは、ある日、瀕死の旅人に出会う。
その旅人が死の床で話してくれたのは、はるか西の彼方にあるという豊饒の土地。
大地が果てるその地では、大きく重い実をつける、黄金の穀物が豊かにゆれるという。
この穀物さえあれば、人は飢えず、豊かに平和に暮らせる。
熱い思いを胸に、シュナは西へと旅立つ。

厳しく辛い旅の途中で、シュナは1人の老人から金色の種が実る“神人の土地”の話をきく。
金色の種は、いまや神人しか持っておらず、人は人間を神人に売り、死んだ実をもらうようになった。
神人は人がその地に近づくことを拒み、その地に赴き戻った者はいないというのだ。

人身売買の商品になっていた姉妹と出会い、彼女達を助け出した後、シュナは遂に1人で神人の土地にたどり着く。
脅かすものも、脅かされるものもいない、そんな平和な土地でシュナは、
神人と神人によって造られた緑の巨人、そしてその土地の実情を目の当たりにする。
恐怖を感じながらも、必死の思いで金色の穂をむしり取ったシュナは、荒れ狂った暗い海に踊りこんでいった。

1年の歳月が流れた。
シュナが救った姉妹、テアと小さな妹はその間、北方の貧しい村の老婆の家に身を寄せながら、シュナの帰りを待っていた。
ある夜、激しい胸騒ぎを覚えたテアは家を出て道を下った。
村の入り口まで来たとき、目の前に幽鬼のような人影が見えた。
それは、記憶も言葉も名前も、そして感情すらも失った、変わり果てたシュナだったのだ。。。
  



宮崎駿さんの名前を世に知らしめた作品と言えば、『風の谷のナウシカ』ではないかと思います。
(実はKeikon、このナウシカの大判本も全巻持ってます。)
シュナの旅の世界観は、ナウシカに近いものがあるのではないでしょうか。
ゲド戦記も良かったですが、個人的にはこのシュナの旅のアニメ化もしてほしいくらいです。
戦争、貧困、環境破壊など、人間が利便を追及しすぎた結果引き起こされる様々な問題。
力を持つものが弱きものを犠牲にしていきていく、そんな現実世界に警鐘をならすような作品だと思います。

ストーリーもさることながら、特筆すべきは絵ですね。
オールカラー、全編水彩画タッチのその絵は、非常に美しいです。

このシュナの旅は1983年に初版が印刷されたようですが、Keikonが購入したのは1991年の第25刷のもの。
ゲド戦記が話題になり、再び脚光を浴びた今は、いったい何刷くらいになるのでしょうか?
20年以上も前に描かれた作品ですが、未だに全く色あせる事はなく、
むしろ今だからこそ学ぶべき事が多いストーリーだと思います。

文庫本サイズで、すぐ手に取ることができるのも魅力的。
いや、むしろ大判にしてくれても良いほどの美しい作品ではありますが。
多くの人に読んでほしい、というか多くの人が読むべき本だと思いますよ!

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『シュナの旅』
著者:宮崎駿
徳間書店

投稿者 Keikon : 2006年10月06日 01:03

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