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2006年06月03日

総本山善通寺を歩きつつ。

zentuji1200.jpgお天気の良い土曜日、洗濯、掃除と諸事を午前中に片付けてしまい、ほっと一息のランチの後。こんな日はお気に入りのビルケンサンダルをつっかけてサイクリングです~!というわけで、千二百年祭をやっているという総本山善通寺まで、ぶらぶらと自転車こいでみました。たまには悪くないもんです。



いつもは車で通る道を自転車で走っていると、普段目に入らない些細な事に気がつくことがあります。

あたかも自分を見せびらかすように悠々と川を泳ぐ巨大な鯉。
美しく咲き誇る紫が目に鮮やかなスズメのエンドウ。
高速道路下の短いトンネルの隅っこに幅をきかせるクモの巣。

そんな小さなことの一つ一つが妙に嬉しくて、鼻歌を歌いながらのんびり自転車を進めました。


真言宗を開いた弘法大師空海さまが誕生した地が、香川県の善通寺市です。
そして市の名前の由来にもなっているのが、四国八十八ヶ所霊場第七十五番札所でもある総本山善通寺。
西暦807年に建立されたこのお寺は、今年2007年に創建1200年を迎えたわけです。
これを記念して、6月15日まで様々な催し物が行われています。


zentuji_shakado.jpg zentuji_syakyo.jpg


最初に訪れたのは赤門を入ってすぐ左の釈迦堂でした。
そこでお釈迦様に手を合わそうと思って目に入ったのが“写経道場”の案内。

Keikonは以前高野山で写経や写仏をしたことがあります。
お寺という神秘的な場所でお経を写すことで、不思議と心が静かになったものです。
そんな写経をココでできるんだ~!と思ったのと、釈迦堂の扉を開けたのは、ほぼ同時でした。

創建1200年祭真っ只中、しかも天気の良い土曜日、ということで、
この日は釈迦堂のすぐ隣でなぜか民謡大会が行われていました。
おかげで写経中、ガンガンと民謡が耳に入ってくるという特殊な情況下になってしまったわけです。
が、それでも目の前でお釈迦様に見据えられながら、傍に活けられた百合の花の香りが漂う中での写経は
周囲の雑音を忘れさせてくれるに十分で、般若心経を一字一字心にも刻みながら夢中になっていきました。

全てを書き上げるのに30分以上は裕にかかったでしょうか。
最後に日付、名前、住所、そして願い事を書き添えます。
すると、釈迦堂にいらっしゃった尼僧さんが、簡単なお経を唱えてお釈迦様にその願い事をお伝えして下さいました。
これ、釈迦堂で写経できる今だけのお取り計らいです。
普段だと、書き上げたらその写経用紙を預かってくれるだけらしいです。

このタイミングで善通寺に訪れて写経する事が出来たのは、
きっとお大師様との縁が深いからだよ、とおっしゃってくれました。

この尼僧さま、なんだかとても面白い方でした。
ちょっとだけお話しする機会があったのですが、お寺という場所柄、本当に色々な方がいらっしゃるそうです。
以前、願い事の欄に“日本経済がもっと発展しますように”といった事を書かれた方がいらしたそうで、
(30代後半くらいの男性だったらしい。。。どんな人やねん?!)
その人に『今株式投資するのってどうですかねぇ?』と尼僧さんが尋ねたんだそうです。
(って、尼僧さんがそんなこと尋ねるのか???と心の中で突っ込みつつ。)
すると『安い時に投資しても必ず失敗します。』と冷たくあしらわれたとか。

。。。笑

こういう方が写経をする姿というのも、なかなか想像しがたいものです。

諸願成就、身体健康、家族安全、果ては世界平和まで、色々な願い事があるようです。

この尼僧さま、かれこれ17,8年はここ善通寺でお勤めされており、毎日朝4時にはいらっしゃるんだそうです。
『早いですねぇ』と感心したら、様々な人のお願い事をお釈迦様に取り上げてもらうためには、
それを伝える自分がちゃんと修行しなければならないから、とおっしゃってました。
他人の願いをかなえるために自分が功徳を積む、大変なことだと思います。
6月15日までは毎日この釈迦堂へお勤めされるそうですが、それが終わったらインドへ行きたいとか。
仏教生誕の地、インドは本当に素敵な場所だそうです。


katapandori.jpg kumaoka_kashiten.jpg kumaoka_sobaboro.jpg


写経を終えると随分日が傾いていたので、早くお大師様を拝まなければ!と思い、
とりあえず西院の方へ向かって足を進めていきました。
善通寺の敷地は東院と西院に分かれていて、釈迦堂や本堂は東院に、大師堂は西院にあります。
で、この東院と西院の間には一本の路地が通っていて、ここに結構有名なかたパンの店があるんです。

まっすぐ大師堂に向かうはずだったのに、やはり立ち寄ってしまった、そんなかたパンのお店がこちら。
創業明治29年(1896)という熊岡菓子店です。
レトロな雰囲気をかもし出すのに十分な、年季の入ったガラスケースに様々な種類のパンが入っています。
パン、と言っても現在のパン屋に並ぶようなものではなく、むしろかわらせんべいのようなお菓子を想像した方がいいですね。
一番人気はやっぱり“かたパン”。
午前中に売切れてしまうことも多いとの事で、Keikonが訪ねたときには当然一枚も残っていませんでした。
代わりに買ったのがそばぼうろ。
お花の形がかわいらしく、堅めなのですが口に入れると柔らかくほぐれていきます。
歩き遍路をされている方などには、日持ちもするし、ちょっと小腹がすいた時などに良いかもしれません。
量り売りというスタイルも懐かしい気持ちにさせてくれますね。
善通寺に来たときには是非立ち寄って欲しいお店です。

『熊岡菓子店』
香川県善通寺市善通寺町3-4-11
tel : 0877-62-2644
午前8時~午後6時 火曜定休


zentuji_taishido.jpg zentuji_hyakudoishi.jpg寄り道してしまったため、大師堂に入ったのはまさに閉まる直前でした。
通常50年に一度しか御開帳されない大師像が1200年記念の今、特別開帳されています。
とはいえ、写真撮影は厳禁ですが。。。
ゆっくり拝観する時間もなく、とりあえず手を合わせるだけで大師堂を後にしました。



zentuji_hondo.jpg東院に戻り境内を散策です。
こちらは、善通寺の本堂にあたる金堂です。
ご本尊は薬師如来様。
金堂の中に入って、目の前に薬師如来様を拝む事ができます。



zentuji_gojunoto.jpgこちらは善通寺の五重塔です。
懸垂工法といって、心柱が鎖で宙吊りにされているそうです。
こうすると、地震が起こったときに塔自体がしなやかに揺れ、倒壊を防ぐ事ができるんだとか。
五重塔って、お釈迦様のお墓なんだって、釈迦堂の尼僧さんが教えてくれました。
こちらも15日まで中を特別公開しています。



zentuji_shinboku.jpg zentuji_shinboku_miki.jpgこちらが弘法大師さまがご誕生した時には既に繁茂していたと言われる大楠です。
樹齢千数百年ってことですねぇ。
幹周りが11メートルにも及ぶそうです。
ずっと善通寺の街を見続けてきた楠。
これまでの街の変遷に何を思うのでしょうか。



午前中に訪ねれば、もっとゆっくり色々見てまわる事ができたんだなあと、ちょっと惜しい気がしました。
まぁ、でも近いので、また来ればいいんですよね。
様々な文化財も収蔵されている宝物館もありますし、遠方から来た方やお遍路さんの為の宿坊もあります。

総本山善通寺の所在地、交通手段、境内案内、行事案内など、ホームページに詳しく記載されていますよ。
是非ご参照にされてみて下さいね。

総本山善通寺
http://www.zentsuji.com/

投稿者 Keikon : 2006年06月03日 23:22

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コメント

料理のこといっぱいで、少し迷いましたところ、
善通寺か見つかって、なんか嬉しいです^_^
善通寺はよくいらっしゃるんでしょうか。
そういえば、今日は善通寺祭りがある日だったけど、大雨で中止になりました。
(花火がない祭りだったので別に残念な気持ちはありませんけれども・・・)
では、これから善通寺来られるときには是非連絡くださいね^_^

投稿者 讃岐美人 : 2006年07月23日 20:29

讃岐美人さま~~~!

きてくれてありがとう!
もともとは料理関係だけのサイト、、、だったはずなんだけど、
今となっては何でもありのブログです。(^_^;)

お寺や神社に行くのは結構好きで、善通寺は近いからちょくちょく遊びに行きます。
次に行く時は、声かけるね。

またみんなでご飯食べに行こうね~!

投稿者 Keikon : 2006年07月24日 16:42

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